自分史というと自分の人生を振り返る終活のイメージを持っている人もいるかもしれませんが、最近では個人事業主や経営者がブランディングとして制作するケースも増えています。ここでは、自分史の出版を検討している方に向けて、自分史を出版するメリットや書き方、注意点などをまとめました。
自分史とは、その名の通りに自分自身の歴史を文章化したものです。同じく自身の半生や生涯を書き記す自伝や自叙伝が何らかで成功した人物の記録・立志伝なのに対し、自分史は一般の人が自分の歩んできたこれまでの歴史を振り返って書きつづったものという側面があります。
高齢化社会が進行している近年では余暇の時間の過ごし方への注目度が高まっており、そのひとつとして自分史の執筆を選択する人が増えているようです。自分史を書く理由は人によってさまざまですが、「自分の生きた証に残したい」「自分の知識・経験を後世に伝えたい」「過去を振り返って今後の人生の糧にしたい」などがあげられます。
何らかの功績を残した人物でなければ、どんな人生を歩んできたのか語り継がれることは基本的にありません。自分の人生の軌跡を子どもや孫、後世に伝えるには形に残す必要があります。自分史なら自分の生きた証を文字に残せ、自分がこの世を去った後でも親族や友人が自伝を通してあなたの人生に触れられるのです。
情報を残すという意味では、わざわざ本にしなくてもCDやDVDなどのデジタルメディアという選択肢もあるでしょう。ただ、かつて流行したフロッピーディスクが現在ではほとんど使われないように、CDやDVDもいつかは再生できる機器を持つ人がほとんどいなくなる日がくるかもしれません。
また、ブログやSNSに残すにしても、利用しているサービスが終了してしまえば残していたデータを見る手段がなくなってしまいます。本なら適切な環境で管理さえすれば、言語が廃れない限り誰でも読むことが可能です。自分の生きた証を後世に残したいという人にとっては、その点だけでも自分史を出版する意義はあると言えるでしょう。
自分がこれまで歩んできた歴史を振り返って、そのときどきの感情やさまざまな体験を文章化することは、自分自身を深く知るきっかけになります。また、過去のつらい経験や挫折した出来事をあらためて見つめ直すことで、当時の自分では気づかなかった見え方ができることもあり、負の過去だと思っていたものが今後の人生の糧につながるかもしれません。
そのほかにも、これまでの経験を振り返ってみて、つらい経験や悲しい出来事を乗り越えてきた自分自身の頑張りや周囲の支えを再確認できることもあるでしょう。自分史づくりを通して自己肯定感を高めたり自分を支えてくれた周囲の人の有難みを再認識したりすることで、これからの人生を前向きに過ごすきっかけにもなります。
自分史にはこう書くべきという決まりはなく、書きたいことを自由に書いていけば問題ありません。ただ、それはそれでどう書き進めていけばいいか分からないという方もいるでしょう。そういった方のために、自分史を作成するうえでのポイントを紹介します。
自分史の作成に取り掛かる前に、まずは自分史を書く目的について明確にしておきましょう。目的がはっきりしていないと、自分の歴史を振り返っていく過程で迷走してしまい、自分史を制作するモチベーションが低下しかねません。自分史づくりは人によっては何年もかける大きなプロジェクトになるからこそ、最初に書く目的を明確にしておくことが大切です。
自分史を書く目的として代表的なのが「自分の経験を後世に伝える」「コミュニケーションの材料として制作する」「自分の人生を見つめ直して今後の進路を決める」の3つ。目的をしっかり決めておくと何を書けばいいのかも明確になり、内容がまとまった自分史を制作できます。
自分史をつくる目的を明確にしたら、次は年表を作っていきましょう。年表を作成する理由としては、いきなり自分史を書き始めた場合、あまり重要ではない出来事に文字数と時間をかけすぎたり、書いておくべき情報を書き忘れたり、ということになりかねないからです。
自分の人生であった出来事やそのときどきの社会的事件・流行などを箇条書きで細かく書き出していくと、当時の自分の状況や感情が具体的に呼び起こされて自分史がより書きやすくなります。年表を作成する際は、インターネット上で公開されている無料のテンプレートや無料アプリを利用するのがおすすめです。
年表を細かく書き上げたら、次は本の構成を考えていきます。構成を考えるうえで役立つのが「目次」です。自分の人生を目次で細分化することでどこに何を書けばいいのか分かり、書き進めやすくなります。
目次を作成する際は、まず「子ども時代」「青年時代」「社会人時代」など3~5項目程度に大まかに分けましょう。続いてそれぞれの項目のなかで特に伝えたい出来事をピックアップし、さらに細かな見出しに分けていきます。このときになるべくそれぞれの見出しをバランス良く配分すると、ある見出しに時間をかけすぎて執筆が行き詰るということが少なくなります。
本を出版するには、執筆のほかにも編集や修正、表紙の形状、紙の質・色、ページのデザインや活字フォントなどさまざまなことを決めなければいけません。なかでも長いものだと10万字を超える自分史の編集や修正は、かなりの時間を必要とします。書店での流通を目指す場合は、事実と異なる部分はないかのファクトチェックも重要です。
自分史を出版したいけれど、文章を書くのは苦手という方もいるでしょう。自分史は必ずしも自分で執筆する必要はなく、自分史の制作を扱っている出版社や印刷所に依頼するという方法もあります。そのほかプロのライターを雇って執筆を代行してもらったり、インタビューを書き起こした原稿に自分で手を加えたりということも可能です。
仕事が忙しくて執筆する時間が取れない、自分で書くのは難しいという方にとって心強い存在が出版コンサルです。
出版コンサルは著者側・出版社側それぞれの意向を考慮した企画書を作成する専門家で、本の執筆代行や編集作業も任せられます。さらに自分史の内容と相性の良い出版社とのマッチングや編集者とのやり取り、出版後のマーケティングなども対応。リソースをできるだけかけずに自分史を制作・出版できるため、本業に支障が出る心配はありません。
出版やマーケティングのノウハウを持つプロを頼ることで、時間や労力をかけずにクオリティの高い自分史を実現できます。
【取材協力】サンライズパブリッシング株式会社
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